では、自宅でインターネットサーバーを立てるに当たって「まず」調べなければならないことは?
それは現在使用しているインターネット回線です。
・常時接続可能なのか、そうでないのか?
インターネットサーバーは基本的に1日24時間常に動作してなければいけません。
そのため、まず「常時接続」かどうかがとても重要になります。
もしプロパイダと「接続時間によって課金」される契約をしているのなら、
インターネットサーバー公開は止めた方がいいと思います。
理論上は何も不可能じゃないですが、金銭的な問題から止めた方がいいです。
「常時接続」は必須です。今さらな事ですが、重要なことです…
・上りの回線速度は? 下りの回線速度は?
最近はこれが非対称であるサービスをしているプロバイダが大半ですね。
「上り1Mbps/下り8Mbps」のように、基本的に上りの速度が低いものがほとんどです。
しかしインターネットサーバーは、「自分から他人にサービスを提供する」ものです。
つまりインターネットサーバーとして回線が速いかどうかは「上りの回線速度」によって決まります。
ここで、回線速度を説明する時に使用される「bps」という単位について説明をしておきます。
「bps」とは「Bit Per Second」…一秒間に転送可能な速度の事ですが、
実際にパソコンが扱っている単位は「Byte(バイト)」です。「8bit=1byte」となります。
つまり「上り1Mbps/下り8Mbps」の場合、
実際のコンピューターの処理単位に変換すると「上り125K/下り1M」になります。
なお、プロバイダから提供される回線は基本的に「ベストエフォート型」です。
これは「理論上の最大ではこれだけ出るはずだけど、その数値は保証できません」と言う意味です。
反対の用語に「ギャランティ型」というのがありますが、これは完全に帯域が保証されています。
しかし、これは企業等が使用する専用回線に使われるものであり、
一般プロバイダが提供している事はまずありません。
以上の事は覚えておいて損はないと思います。
話を戻します。
上り1Mbpsの回線速度もあれば、ごく一般的なHP公開とメール程度であればなんら問題ないでしょう。
しかし「自分のサーバーで数十人がアクセスするゲーム用サーバーを立てたい」等という
非常に大きなトラフィックを要求されるサービスを設置したいのであれば、
この上り回線速度が非常に重要になってきます。
どんなサーバーを建てたいかによりますが、
もし「理論上、上り速度2Mbps以上ないと正常なサービスが不可能なサーバー」だとしたら、
諦めるか、もっと上り回線速度の速いプロパイダと契約するしか方法はありません。
・プロパイダが提供しているIPアドレスはグローバルIPアドレスなのか、プライベートIPアドレスなのか?
これは少し専門的な話になってきます。
噛み砕いて言うと、「あなたのパソコンは直接インターネットに繋がっているかどうか?」という事になります。
そりゃインターネットが出来るんだから繋がっていて当然じゃないか、と思うのは当たり前です。
しかし、それは「直接インターネットに繋がっている」か
「一度プロパイダの一方通行通路を経由してインターネットに繋がっている」かの
契約者には一見しても分からない違いが存在します。
(正確にはこれも正しくないです。詳しい理論と説明は、あとでやります)
もしあなたがプロパイダから提供されているIPアドレスがプライベートIPアドレスなら、
相手があなたのHPを見ようとしても「プロバイダの一方通行の入り口までしか到達できない」という事実により、
あなたのサーバーまで到達できません。
こういう理由により、もしあなたがプロバイダから受け取っているのがプライベートIPアドレスならば、
理論上インターネットサーバーによるサービスは不可能になります。
これを解決するには「グローバルIPアドレスを契約者に配布している」プロバイダと契約するしか方法はありません。
・個人サーバー設置をプロパイダは許可しているのか、否か?
いうまでもないことですが、駄目と書かれていたら駄目です。
緋色のプロパイダも許可してなくて、かといって住んでいる田舎ではこれ以上良いサービスは受けれなくて、
結果サーバー運用を止めた…という事実がありますので…
これらの問題をすべてクリアしたのであれば、回線上の問題はクリアできたことになります。
次はようやくPCとなるわけですが…その前にインターネットを構成している「IP(インターネットプロトコル)」の
取り決めの中の一つ「IPアドレス」のお話をしたいと思います。
これは、インターネットサーバーを設置する以上、絶対に避けて通れない問題ですので、
是非理解していただきたいと思います。
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